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2024/04/26 10:17 |
映画 『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』
何故か最近、よくこのバンドのことを耳にしますね~。
1984年のスーパーロック`84といえば、雑誌(ロッキンf)で記事を読んでいた中学生時代を思い出します。自分の中では、出演バンド中で唯一知らない地味なバンドでしたね、アンヴィルは。

それが、今になって何故ネット上で色々と話題になっているのか?



ムムっ!こいつぁーこの目で確かめなきゃいけないぜっ!!

拍手[1回]

★ネタバレします★

スーパーロック`84

ボンジョヴィ・・・注目の新人で初来日だった。代表曲「ランナウェイ」をアイドル石川秀美がカヴァー(パクリ?)してたなぁ。(その後、`86の3rdアルバム「Slippery When Wet」からの「Livin' on a Prayer」で大ブレイク!)
ホワイトスネイク・・デイヴィッド・カヴァーデールの歌声は渋い!Drはコージーパウエルですね。ジョンサイクス在籍時の`84「Slide It In(アメリカンリミックスヴァージョン)」は渋カッコいい。(その後、`87「サーペンスアルバス」からのStill of the Night /Here I Go Again /Is This Love で大ブレイク!!)
MSG(マイケルシェンカーグループ)・・・孤高のギタリスト、マイケルシェンカー率いるMSG。世界が認める「神」です。Armed And Ready/Into The Arena /Captain Nemo、他、名曲多し。 UFO時代のDoctor, Doctor/Lights Out等。
スコーピオンズ・・・独逸の蠍団。この時すでに大御所。ニュー・アルバム『蠍魔宮(Blackout)』のワールド・ツアー中で、Blackoutは緊張感あふれる名曲。

アンヴィル・・・何それ?それっておいしいの・・・?


80年代初頭、ニューウェイブオブブリティッシュへヴィーメタル(NWOBHM)旋風が世界を駆け巡っていた。レッドツェッペリン、ディープパープル、ブラックサバス等がオールドウェーブと揶揄された70年代後半から、再びハードロック/へヴィーメタル(HR/HM)が世界を熱く燃やしていたのだ。1984年、その勢いは何故かここ日本の田舎の中学生(俺ね)にも届いてしまい、14歳~15歳という多感な時期の少年の心に火をつけたのであった。
1984頃のHR/HMムーヴメントといえば、アメリカのロス・アンジェルス(LA)を発祥の地とする通称「LAメタル」を忘れてはならないだろう。男臭いHR/HMの世界にキャッチーなメロディと華やかさを持ち込んだLAメタルは女性ファンをも多く取り込み、さらに勢いを増した。楽曲の良さだけでは無く見た目が重要視(売れる要素)されるようになっていく。モトリークルー、ラット、ポイズン等の活躍が知られる。また、ギターテクニックの飛躍的な向上もこの頃で、多くの若者が派手なギターを手に練習に励んだ。 (LA出身ではないが、)ボンジョヴィ、ヨーロッパ、シンデレラが保護者も認める(!)優良ロックバンドとして認識される等、単なるブームではなかったのだが、`87ガンズアンドローゼスの出現により時代はロックンロール回帰へと向かい、そして90年代初頭、シアトルからきたニルヴァーナを代表とするグランジの波に飲み込まれていった。
で、そのLAメタルの裏で、より速く、ハードに、へヴィーに向かっていったのが、あのメタリカ/スレイヤーに代表されるスラッシュメタルである。
その彼らがリスペクト・コメントを寄せているのがこの映画『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』。あのメタリカに衝撃を与えたカナダ出身のバンド「アンヴィル」とはいったいどのようなバンドであっただろうか。その当時、パソコンもYouTubeも無い時代、アルバム(LP)一枚買うだけで月のお小遣いが一瞬にして消えてしまうような非力な中学生にとっては知る由もなかった。アンヴィルは雑誌「ロッキンf」で見たのが最後だった・・・。※1

なのに最近・・・そのアンヴィルが音楽や楽器好きな連中によってまことしやかに「話題にされて」いるではないか。しかも、俺より年下のキミ達が何であのアンヴィルを話題にするのん?深まる謎に一編の映画予告が・・・。YouTubeで予告編を見つつ、劇場を探し、やって来ました新宿「K`sシネマ」のレイトショー。※2

そして鑑賞。(以下、ネタバレ有り)

いっ、痛い。痛すぎるっ!!
もちろん、予告編でも解るように痛さの裏に感動がある訳ですが、なんつーか俺には痛さが心に突き刺さり過ぎです。(以下映画について)

オリジナルメンバーのリップス(Vo)とロブ(Dr)は、バンド結成から30年も続けている訳ですが、おそらくは80年代中期をピークに人々から忘れ去られていきます。今では給食センターや家屋の解体等の仕事をしつつ、それでも地元でバンドを続けています。少なからず熱狂的なファンもいるようです。

痛い①
2005~6年辺りのロックフェスに参加したようで、バックステージを歩き昔の仲間(といっても、こちらは今でも現役な有名ロックバンドのメンバー達ですが)に声を掛けます。なんだか、かろうじて相手にしてもらっている雰囲気というか何というか・・・。あのマイケルシェンカー(`84スーパーロックで競演)は「・・・(お前誰だっけ?」という目でリップスを見ていました。ミュージシャン仲間にもコレかよ・・・。
痛い②
久しぶりのヨーロッパツアーで電車を使ったりして経費を抑えます。しかも乗り遅れて途方に暮れたりしていますが、コスト削減は大事なのでこの辺のことは痛くは無かったです。これは2009年の世界不況下で見ているからでしょうか、はたまた仕事上でのコスト意識が関係しているのでしょうか。しかし、2005年トランシルヴァニアでのロックフェスのトリがアンヴィルって・・・企画が痛いです。実績は、1万人収容のキャパで実動員175人。※3
この企画に喜んで乗ってしまったアンヴィル・・・気付けよ。しかも、これは筆者の高校時代にやったLIVE(ガラガラだった)を思い出してしまい余計~に痛かったし。
痛い③
家族から冷ややかな目でみられ、「終わっている」とさえ言われています。メンバーの結婚式ではしゃいで演奏するメンバー、会場の隅で冷ややかな態度をとる親戚一同。空気読もうよ、まったく。結婚式の歌はてんとう虫のサンバと相場は決まっているというのに。※4
痛い④
後の喧嘩の原因となる、レコーディングにおけるリップスの声の出ていなさ。せっかく身内が費用を出してくれたのに声が出てないじゃん・・・とマジで思ったらそのことで喧嘩を始めた訳ですが。曲のキーを下げるなりして合わせていかない(いけない?)といかんのに。歌は商品なんだから、ズレた商品を提供しようとしてはいけないのですが、不況下(またそれ言うか)で商品が売れないこのご時世ではサラリーマン心に染みますね。顧客のニーズにマッチしな(以下略)。

痛いと言っても、アンヴィル云々ではなくて、なんだか自分を投影しているようで痛くてたまりません・・・。(嗚呼、そこには触れないで・・・)

だがしかし。

駄菓子菓子。

さぁ、良いことも書こうじゃないか。
リップスのギターは今でもフライングV。リスペクトする(はぁ?って言われちゃったけど)マイケルシェンカーもフライングV。リヤ1ハムでケーラートレモロ搭載のギターはあの頃と同じ。変わらぬ信念と変わらぬ道具。職人って感じですね。
久しい間柄の音楽プロデューサーが協力してくれます。最初ちょっと胡散臭いと思ってごめんなさい。彼はあの時代を支えた名プロデューサーです。
家族が「でもね、私いまでもロックが好きよ(リップス嫁)」と応援。チャンスがあるなら応援してあげたいとレコーディング費用を出してくれるリップス姉。
本気の喧嘩と、本気の仲直りを経てアルバムは完成。
ですが、その大切な費用で、せっかく作ったアルバムも、売り込みには失敗。会ってくれたレコード会社にも「今の時代には・・・」と言われてしまいます。
また痛いシーンかって?いやいや、ちょっと違うよ。今はインターネットという物があるからね。アルバムを作っているという噂を聞きつけたファンからネットで問い合わせが殺到。「だったら直接売ってやるぜ!!」と息巻くリップス。CDは量産すれば原価2ドル程度(レコーディング費用は別と思われます)だ!と叫びます。いいぞいいぞ、新時代の流通だ!頑張れ、もっとやれ!心から応援してしまいました。他者(この場合はレコード会社)を挟まずに、売りたい人と欲しい人を直接結べばいいんだ、インターネットは便利に使え!新しいビジネスモデルだ!わはははっ。
そかし、それが流通という物を変えてしまい、そこで働く人々の生活を変えてしまうリスクもまたあ(以下略)※5

そんな彼らにあるイベントのオファーが届きます。

それはあの、スーパーロック`84が行われた「日本」からのものでした。

ラウドパーク2006。日本国内における最大規模のヘヴィメタル・フェスティバルとして誕生したイベントで、場所は幕張メッセ。収容人員は2万人。2006年が第1回ですが、伝説のスーパーロックと妙にシンクロしますね。

久しぶりに日本にやってきた一行。オリエンタルな音楽をバックに神社に行ったりするリップスとロブ。外国の観客には、極東の島国である日本の雰囲気を感じてもらう大変重要なシーンと思われます。都会的な東京の街並みと神社仏閣が外国の方々を不思議な気分にさせてくれるでしょう。

この不思議な国は、すでに化石と化した(失礼!)アンヴィルを呼びました。それは何故・・・?

トランシルヴァニアの一件が過ぎります。よりによってタイムスケジュールは一番手で昼11:35から。第1回目のフェスで昼間です。客足は良くないのでは・・・。リップスも同じ気分だったようで、画面からは彼の「また、客がいなかったら・・・」「呼んでくれた日本のプロモーターに申し訳ない」という言葉が聞こえます。

そして、ステージに向かった彼らが見た「呼ばれた理由」とは・・・



ベタですか?ベタですね(笑)でもいーんです。日本万歳。わはははっ。


決してお手本になるような人生じゃないかもしれないですし、信念があればいいんだよと諸手を上げて賛同するものでもないと思います。けれど、旨くやることに囚われ過ぎず、信じるモノがあるのなら、トコトンやらないと、人は、人生は、豊かであるとは、言えないんじゃないかと、リップスとロブを見ていて、そう思ったのでした。

俺的評価:★★★★☆ ※6

※1 筆者の体験より ちなみに、日本で火がつく→その後世界でブレイクするという実例は多くある為、日本の動きは世界からも注目される。
※2 ここ、良い映画館ですね。
※3 1回しか見ていませんので、収容人数等の数字に間違いがありましたらゴメンなさい。
※4 それは日本限定です。
※5 仕事でノイローゼ気味のようです。年末はゆっくり休みましょう/産業医より
※6 映画の作りとしての結末と、日本でのアンヴィル評価を考えると・・・ちょっと「ン?」と思ってしまうのはHR/HM好きの性(サガ)ですね。何も知らない人が見たらもっと楽しめるでしょう。
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2009/12/19 21:43 | Comments(0) | 映画

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